あっちに逃げて――。JR渋谷駅近くの跨道橋(こどうきょう)の支柱に、女性の絵と矢印が出現した。矢印が示すのは、避難場所となる代々木公園。大地震が起きた時に、どっちに逃げればいいのかをアートで示す「シブヤ・アロープロジェクト」。ブラジル人の女性の作品だ。
絵は高さが3メートル。黒人や白人、ブラジル先住民など6人の女性が描かれた。赤ん坊を抱いたり、妊娠中だったりする人もいる。
描いたのはサンパウロ在住のブラジル人アーティスト、ハンナ・ルカテッリさん(32)。ルカテッリさんは、路上の壁に女性の絵を描くことを主な仕事にしている。路上にこだわるのは、美術館に行かない人やアートに縁のない人にも見て欲しいから。母親が大学で絵画を教えていた影響で幼いころから絵を描くのは好きだった。ただ洋服のデザインなども好きで、以前は服の仕立てや古着の販売などで生計を立てていた。
外壁にスプレーで描いた絵を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル